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リターンは基本的に受け身のショットですが、試合の勝敗を左右する重要なショットです。

相手が自由に打ってくるサーブに対し、決められた範囲のコート内に返さなければならず、テニスの中でも一番難しいショットだと思います。

それもただ返せばいいというだけではなく、相手のチャンスボールとならない返球、欲を言うとリターンで優位性がとれる返球が望ましいです。

しかし、試合相手は十人十色で様々なサーブの相手と遭遇するため、それに対応できるリターンの引き出しを準備しておく必要があります。

また、リターンの引き出しを増やすことは、相手がサーブを打つときに「次は何をしてくるのだろう…?」と少しでも考えさせることができ、余計な思考回路を使わせることによりダブルフォルトを誘発させることもできます。これが試合の流れを変え、勝利へと導くこともあります。

是非、リターンの引き出し習得にトライしてください!
※本ページでは右利きでフォアハンドが得意な人を例に解説します。
 左利きの方やバックハンドが得意な方は左右等を変換して読み替えてください。

1.リターンダッシュ

まずは、一番難易度の高いリターンダッシュの紹介です。

難易度が高いですが一番優位性が取れるリターンです。

サーバーにとっても一番嫌な戦法です。

難しいだけあって練習しがいがあり、決まった時にはチョー気持ちいいです!

1.1 セカンドサーブを叩いて前へ

リターン側にとってセカンドサーブはチャンスです。

ダブルフォルトを避けるためスピードもコースも限定されるため、リターンしやすくなります。

これを、ただ返すだけではもったいないので、しっかりフォアハンド(得意なショット)で打ち込んでネットに出ましょう!

<デュースサイドの場合>

●セカンドサーブではセンターギリギリ打てる人はなかなかいないため、ほぼフォアハンドに回り込んで打てます

フォアハンドでストレートに打って前に行きましょう!

●なぜストレートか?

理由1)サーバーはセンターやや右側(リターン側から向かってコート左側)からサーブを打つため、ストレートはサーバーのボールまでの距離が遠くなり、かつボールの弾道距離が短く最短で着地するためサーバーの時間も奪える


理由2)リターンは自コートの右サイドからストレートに打ってネットに行くので、最短距離でネットに詰められる。かつ相手はバックでの返球となり(バックが苦手の人が多い)、返球時のカバー範囲が狭くなるため。

理由3)リターンダッシュはコートの中に入って速いタイミングで打つショットのため、ストレートに打つ方が打点を遅らせることができミスを減らせるため。

<アドバンテージサイドの場合>

●アドバンテージサイドは、セカンドサーブでもワイドに打ちやすいので、まあまあバックで打たされることが多くなります。

バックが得意な方は、<デュースサイドの場合>と同じ考えでバックハンドでストレートに打ってネットを取りましょう!
 バックのスライスでストレートに打ってネットダッシュもありです。


難しいのはフォアで叩いて前に行く場合です

●なぜ難しいか?

理由1)フォアで回り込み過ぎてしまうと自分がコートの外に追い出される=オープンスペースができる
    リターンが甘くなると相手に簡単に決められてしまうリスクがあるため


理由2)アドサイドからストレートに打つと相手のフォアで返球されるため、パッシング確率が高くなってしまう


理由3)フォアで逆クロスに打つよりストレートに打つ方が打点が前のため(タイミングが速いため)、ミス確率が高くなる

<結局アドサイドはどうするの?>
●バックが得意であればバックでストレートを打って前に出る。
●サーブのコースが甘ければ(自分がコートの外に追い出されない程度であれば)、フォアでストレートに打って前に出る。
※やはりフォアは威力が出るので可能であればフォアを使うのが望ましいです。
●相手のフォアのパスが厳しい場合は、リターンを逆クロスに打って(相手のバックを狙って)前に出る。

1.2 形勢逆転!ファーストサーブをロブで前へ

ファーストサーブのリターンはミス甘い返球になる可能性が大です。

なぜならファーストサーブは威力があり、コース/球種も多種多用で打たれてしまうからです。

そのため、ファーストサーブを安定的に確実に返球する引き出しの一つとしてロブがあります。

<ロブリターンのメリット>
●ネットミスが出ない(出づらい)
●高く返し、落ちてからも高くバウンドするため深い返球となりやすい
●深く返ると相手が下がって打つことになり返球しづらい


<ロブリターンのリスク>
●浅くなるとイージーな決め球となってしまう
●相手がサーブ&ボレーしてきた場合、スマッシュされる

ロブリターンはリスクはあるものの、もともとファーストサーブでは不利状況であるため確実に返球することが重要です。
さらにロブリターンが深く入って相手が油断しているスキにネットにつくと一気に形勢逆転、不利だったファーストサーブで優位を取ることができます。

<ロブリターン&ネットのメリット>
●ロブのためネットに行く時間が稼げる
●ロブの返球はボールが高く弾むので目線が上を向くため相手がネットに出てきているのに気づきにくく甘い返球となりがち(ボレーで決めやすくなる)
●深いリターンが入れば相手が後ろに下がって打つため、パスで抜かれづらくボレーを決めやすい
●ロブに対してはロブで返ってくることが多いためスマッシュのチャンスができる
●ネットで相手にプレッシャーを与えられるためミスを引き出せる
●風上からであれば、リターンがバウンドしてから風の力に乗ってさらにボールが深く弾むので効果倍増!

<利用戦略の参考例>
【戦略1】
試合中にロブリターンを何本か打ち、相手の返球パターン(傾向)を把握し、大事なポイントで利用する。
傾向1)ロブリターンに対してロブ返球が多い相手であればネットに出てスマッシュ狙い
傾向2)普通の弾道での返球が多い相手であればネットに出てボレー狙い
傾向3)ロブを全てフォアで回り込んで強打してくる場合、あえて利用は避ける
等々

【戦略2】
とにかく利用し相手にプレッシャーをかけまくる!
決めるか、決められるか、ミスしてくれるか!にかける戦略。
相手ファーストサーブの時にどうしてもポイントが取れない時に使う戦略です。

【戦略3】
突然使う!
試合の流れやワンパターン化を変えたい時、ちょっと違うポイントの取り方をしてみたい時に利用。
相手に「そういうパターンもあるんだ!」と思わせることができる。
次に利用した時、相手に「あ、またネットに出てくるかも!」と思わせて厳しいボールを打たせミスを誘えるかも!

1.3 とにかく前へ

2.リターンの立ち位置の変化

3.リターンの球種

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